ノーブル学園「前」ではなかった #プリキュアを怖くする

 さっきの記事の検証結果。
 はるかたちは、作中で何度かバスに乗っている。
 バスを利用したと判る描写は第16話までで4〜5回あり、行き先表示が直接文字で読める描写は2回あった。
 第4話で、きららを追ったはるかとみなみが利用したバスが「夢5」系統で「夢ヶ浜行」*1だった。終点まで乗ったかどうか不明だが、作品世界で「夢ヶ浜」と言った時に比較的賑やかな街なのだろうと言う印象がある。
 第13話で、バイオリンを受け取ったはるかとみなみが・きららと合流して学園(の寮)に帰る時に利用したのが「夢6」系統の「ノーブル学園行き」だった。この回はトワイライト様登場回で、「新敵幹部登場」と言う趣旨としてはバイオリンの工房(恐らく夢ヶ浜の街には近いが、学園に移動するためにはバスを利用したくなる距離がある場所)近くできららと待ち合わせて(?)合流して3人連れになって寮に帰った事実をそれと判るように描写する必要も必然もない。だがこの1シーンが挿入されることで・及び「Go!プリンセスプリキュア」と言う作品を通じて同種の描写が繰り返されていくことで、「3人がどのように仲が良いか」とか「きららがどれだけ忙しいか」とかと言ったことが視聴者に自然に伝わって行くのだと思うと、こう言う描写は凄くいいなぁと思う。
 アニメーションは完全に作られた(完全にではないにしても純度の高い)虚構の世界だから、意図や意味がないものが画面に写り込むような偶然はない。通常ないべきだし、監督などの立場役回りにある人は隅々まで意図の糸を張り巡らせている筈だ。こども向けだと「考えて」作っていれば、意図を読み解く必要があるほど難解にはせず、小さな子どもでも意図が感じられるように分かり易くしていると思う。そう言った姿勢と結果とが感じられて判る点で、この作品がハートキャッチプリキュア!に次いで2番目に好きなプリキュア(映像作品)なのだ。

シリコンパスケースの価値

 あの近辺のバスで「ノーブル学園」と「ノーブル学園前」バス停の両方があると言うややこしい運行サービスはしていないと思うので、作中のバス停の名前なら「ノーブル学園」で決まりだと思う。鉄道駅の「○○学園」の近くに「○○学園前」バス停があると言う地形は実際にも思い当たるが、「ノーブル学園前」とIC定期券の着発に印字されるような何らかの交通機関の駅等が「ノーブル学園」バス停の他に作中に実在するとは考えづらい。そう考えると「前」の1文字で商品価値はがた落ちだ。
 商品の企画時期が2週間前の第13話よりこちら側とは思えず、バス停の名前を一般人がオンエアで確認出来た時点よりはずっと前にこの商品のイラストは出来上がっていたのだろうが、COSPAの商品開発をしている人は・この点で一般人とは言えないので第4話を見て「ノーブル学園前」バス停もあるだろうとヤマを張って*2商品を作ったら外れました…と言う訳には行かないだろう。
 イラストカードの絵(と文字)は事前に版権元が監修したか・版権元から与えた素材をそのまま使わせたかの筈だから、COSPAの商品開発だけでなくて、このシリコンパスケースのイラストカードが残念なことになってしまっている責任の何割かが版権元にもある。
 こどもの夢で食っている業種なのだから「前」の1文字までチェックを行き届かせて欲しい。こどもの夢で食っている業種の自覚の下で、大友が過度に喜ばないようにコントロールした結果が「前」1文字だと言うならば見事だと思う。
 「前」1文字で喜んで映像を観直して熱い記事を書くブロガーがいて宣伝になって売れる…と計算しているとか、当プリキュアを見る大友はこう言う記事を書くネタをキャッチすると喜び悶えるとかを意図している筈はない筈だ。

その他

 こども向けだと「考えて」細部まで分かり易く表現を織り込むのと、「こども向けだと考えて」手を抜いて細部の作り込みを適当で済ますのとでは意味が違う。
 経験上「○○駅」と言うようなバス停があって、行き先表示やバス停そのものにはそう書いてあるのに車内アナウンスでは「次は○○駅前」とか喋って来る実例を知っている。今回の「前1文字」についてもその種の表記ゆれを気にしないバス会社と言う解釈はあり得る。

*1:画面で見切れていてより右に「き」の文字があるともないとも言い切れない

*2:「妄想して」とも言う